はぎ取り戻し工法と順送り工法の特徴について
ほ場整備について、確認のために過去問を見てみましたら、平成28年に択一の問題で、はぎ取り戻し工法と順送り工法についての問題がありました。
他の分野の試験で講師の先生がおっしゃっていたことなのですが、
「資格試験は、実務を行う上でこの知識を持っていないと実務出来ないというレベルを問う問題なので、択一と記述は表裏一体なんです」とのことでした。なるほど、おっしゃる通りだと思います。
ちなみに、この平成28年の択一問題の問10は結構重要なのだと思います。平成26年の記述式では畔抜き工法と道路抜き工法、平成29年には地下灌漑の問題が出ました。少し遅くなりましたが、はぎ取り戻しと順送りについて出てもいいのかなと思い、想定問題にしてみました。
問題
「水田のほ場整備の施工で、表土扱いにははぎ取り戻し工法と順送り工法があるが、それぞれの工法の特徴と技術的留意点について述べよ。」
1.はぎ取り戻し工法の特徴
はぎ取り戻し工法とは、はぎ取った表土を一時集積し、それをまたもとの所に戻す工法であり、はぎ取った表土の一時集積場所の違いによって運土距離計算方法が異なる。
2.はぎ取り戻し工法の技術的留意点
表土の集積場所により、作業時間が大きく変わるため、計画田面標高と大きく差異が無い旧田面があればそこに集積する場合や区画を半分に分けて上下に集積するなど、能率の良い集積場所を確保して施工する。
3.順送り工法の特徴
順送り工法とは、計画田面標高差が0.5m未満の平坦な地区又はブロック(ほ区又は農区)の基盤の切盛が一区画内で処理される場合に適した方法で、一ブロックの下流より施工し、途中の区画の表土はぎと同時に他の区画(一段下の区画)の基盤造成(基盤切盛+基盤整地)を完了させて、そのまま表土戻しを行うことが出来る方法である。
4.順送り工法の技術的留意点
ブロック内において、旧区画の表土に石礫が混じっている、不良土層があるなどの移動が出来ない場合には用いることが難しい。
また、運搬土が発生する嵩上げが必要なブロックなどには施工工程上の検討をして判断する必要がある。
留意点については得意な分野なので、私の経験や設計基準の文言から推察して作成しました。特徴については基準から抜粋しています。
次回から防災についてやっていきます。防災・ほ場整備・かんがいを押さえていればⅡ-1、-2の問題は解けると思っています。あとストマネ、排水関係を押さえれば、イケる、、、はず。