農業どぼくろく -農業土木録-

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施工管理技士に挑戦! 過去問にチャレンジ1

技術士の試験も終わり、次は12月に行う一級土木施工管理技士の実地試験の勉強をしていきます。

まずは、土工からやっていきます。

 

基本的に、「なんでなのか?」という問題の文章に対する解釈をしながら解答していきます。そうやって覚えていくと本番で違う問題が出ても対処できてくるのかなって思っています。

 

過去問の平成22年の土工問題です。平成29年、平成27年にも類題が出題されていました。

 

問題

橋台,カルバートなどの構造物と盛土との接続部分では,不同沈下による段差が生じやすく,平坦性が損なわれることがある。

 

まず、問題文ですが、何故こんなことになるのでしょうか?

土木工事設計要領 第 2 編 道路編によると、

 

「段差の発生は軟弱な基礎地盤の盛土部分に多く見られるが、盛土と構造物の接続部の沈下の原因に、

基礎地盤の沈下、

盛土自体の圧密沈下、

構造物背面の盛土による構造物の変位などが上げられるが、

ほかに、施工法にも一因あると思慮される。

すなわち、道路工事では一般に構造物と盛土が工程上並行して施工されるため、構造物の裏込めおよび取付け盛土は構造物と盛土がほぼ完成した段階で施工されることになる。
(1)接続部の沈下の原因


1)構造物基礎の堀削土がまじり、盛土材料の品質が悪くなりやすいことおよび構造物の立上がりとの間が乱雑になりやすいこと。


2)裏込めの部分は立上がった橋台、ボックスカルバートおよびそれらの翼壁と盛土とに囲まれていることが多いので排水が不良になりやすいこと。


3)埋戻し、裏込めが最後に施工されるため高まきになりがちであり、さらに場所が狭いため締固めが不十分となりやすいこと。

 

とのことです。

なるほどなるほど。

 

 

その接続部の段差をなくすための対策に関する次の文章の(空欄)に当てはまる適切な語句を解答欄に記入しなさい。

 

つまり、先ほどの原因に対する対策について考えていきます。

 

⑴ 橋台やカルバートなどの裏込め材料としては,締固めが容易で,圧縮性の(空欄イ)材料を用い,透水性がよく,かつ,水の浸入によっても強度の低下が少ないような粒度分布のよい粗粒土を用いる。

 

つまり前述の原因2)の排水不良にならないような対策を選びます。

土木工事設計要領 第 2 編 道路編によると、

「裏込めの材料として、締固めが容易で、非圧縮性、透水性があり、かつ、水の浸入によっても強度の低下が少ないような安定した材料を選ぶこと。」

とありますので、

ここでは、圧縮性の小さい材料を用い、

と記入します。


⑵ 盛土と橋台との取付け部に設置する(空欄ロ)は,その境界に生じる段差の影響を緩和するものである。

土木工事設計要領 第 2 編 道路編によると、

「必要に応じて構造物と盛土との接合部に踏掛版を設ける。」

とありますので、踏掛版でしょうか。一応、版の方で私は覚えておきます。

 

踏掛版

橋梁および土かぶりの薄いボックスカルバートと盛土と取付部分に生じる段差によって、自動車の乗心地が低下することを防ぎ、伸縮装置や床版への衝撃を緩和し、維持補修費の低減をはかるために、踏掛版を設置することを標準とする。踏掛版は、その上面は路面と平行であり、設置幅は車線及び路肩を含む幅としなければならない。 


⑶ 河川構造物の樋門などの取付け部の裏込め材料は,(空欄ハ)効果がある程度期待でき,締固めが容易で,かつ,水の浸入によっても強度の低下が少ないような安定した材料を用いる。

ここでは、水の侵入によっても、と樋門などの河川構造物ですので、遮水効果があるとよいです。


⑷ 裏込め部の施工は,1層の厚さの(空欄ニ)を避け,小型ブルドーザ,人力などにより平坦に敷均しをする。

 

この部分は、

土木工事設計要領 第 2 編 道路編によると、

裏込め部の施工は「埋戻し、裏込めが最後に施工されるため高まきになりがちであり、」つまり高まきを避けるということです。


⑸ 構造物が十分強度を発揮した後に裏込め材料で盛土をする場合でも,構造物に(空欄ホ)を加えないよう両側から均等に施工する。

 

ここは、偏った土圧を加えないことが重要です。偏ることにより不同沈下が生じ、段差が出来ますので、偏土圧を加えないように両側から均等に施工するのが良いです。(わざわざ空欄の後ろに均等に施工と書いていますので、こういったところがヒントになります)

 

以上、次も土工をやっていきます。