計画用水量を算定するため必要な水量とその調査方法と技術的留意点
かんがいにおける計画用水量については平成20年、平成25年に記述問題、平成29年には択一問題で出題されていることから、重要な部分でもあるが、4、5年に1回の出題ペースから、来年か再来年くらいから出題される可能性が高いと思われるが、押さえておくべき点なので、問題を作ってみます。
問題
「水田かんがいの計画用水量を算定するために必要となる水量を3つ以上挙げ、その水量の調査方法と技術的留意点について述べよ。」
計画「農業用水( 水田)」ならびに関連技術書によると、
①代かき用水量
②期別蒸発散浸透量(減水深)
③栽培管理用水量
④送水損失水量
⑤配水管理用水量
⑥施設機能維持用水量
があります。
⑤配水管理用水量と⑥施設機能維持用水量は少しボリュームがありますので、個々に分けるかとりあえず試験では使わないかといった選択でしょうか。
答案は、関連書を参考にして書いていきます。
水田かんがいの計画用水量を算定するために必要な水量の調査方法と技術的留意点
①代かき用水量
調査方法-地形、土壌など地域を代表する水田に三角堰などを設置して流入量と時間を求める。単なる流量の計測だけではなく、代かき後の平均湛水深や代かき前10日間程度の降雨量を調べることで代かき時に必要な水量が求められる。
技術的留意点-計測に用いる計量堰は越流部が整流となると同時に水平を保ち、不同沈下しないように設置する。
②蒸発散浸透量(減水深)
調査方法-代かき用水量同様、地域を代表する水田に水位測定器を設置して水位と時間を計測する。
技術的留意点-一筆減水深測定法とN型減水深測定法があるが、各々に一長一短があるので、両者を併用して計測する。
③栽培管理用水量
調査方法-地区内におけるこれまでの利用実態や既往の数値等から確認するとともに、今後の営農・土地利用等の地域農業の展開方向からも影響を受けることから、近隣地区の実態等から算出する。
技術的留意点-深水、浅水、間断かんがい、中干し、掛け流しかんがい等の管理において必要な水量を見込む必要がある。
この他、
④送水損失水量
調査方法-水源からほ場までの搬送中に蒸発・浸透などで失われる損失は、水路の舗装状態や水路の延長によって異なり、その要因としては水路面における水面蒸発及び浸透漏水量が考えられ、一般に、パイプライン等全面満流する場合 5%、これ以外の開水路、函渠、トンネル等一部でも自由水面を持った流れがある場合 10%で算出する。
技術的留意点-土水路やブロック、石積み水路等で明らかに水路損失が大きいと思われる場合は実情に合わせて計上する。
⑤と⑥は私は覚えきれないので、この部分は、実務で行うときに再勉強します。
次もかんがいです。
今回の類似問題、というか過去問をやってみます。