畑地かんがい方式について
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畑地かんがいの方式は、記述式では平成26年、択一式では平成17年、平成27年に出題されています。平成29年にはかんがい方式の中から地下水位制御機能を持つ地下かんがい方式に関する出題もされていましたので、重要と捉えています。
農業農村工学会より発行されている「資格試験のための農業農村工学必携」によると、昨今人気のある地下かんがい、メジャーなスプリンクラーかんがいなどを含めて、かんがい方式は10種類あります。
過去問と「資格試験のための農業農村工学必携」P70~の内容を基に10種類について記載します。
①スプリンクラーかんがい
機器から圧力水を噴出させて降雨状に土壌と作物に散布を行う方式で、薬剤等の散布にも用いられるほか、土壌や地形の制約が少ないといった特徴がある。
②点滴かんがい
ほ場に設置した機器から作物の根元などの限定された位置に緩やかに水分を供給する方式。マルチなどの栽培に適した作物にも利用可能である。
③ボーダーかんがい
平坦なほ場を低い畦畔で短冊状または帯状に区切り、区画の上流側から薄層流で全面に流入させて、土壌中に水を浸潤させる方式。
④コンターディッチかんがい
勾配が1/100~1/200程度あるほ場にて、等高線に沿った溝を造成し、部分的にせき止めて越水させて傾斜の下方へと流下させて水を供給する方式。地形による制約が多いため、我が国ではあまり活用されていない。
⑤水盤かんがい
畦畔で囲まれた区域内に水を流下させて土壌に浸潤させる方式。ほ場全体を畦畔で囲む方法と作物のみを囲む方法とがある。
⑥地下かんがい
ほ場内の暗渠などを用いて、水を流入することにより毛管作用によって作物の根群域に水を供給する方式。
⑦マイクロエミッターかんがい
果樹の部分かんがいの為に開発された方式で、エミッター1個で1本の果樹に水を供給させ、回転式と非回転式といった方式がある。
⑧多孔管かんがい
圧力をかけた水が穴の開いたパイプから帯状に散水される方式。
⑨畝間かんがい
畝の上流部から水を流入し、土中へ供給する方式。下流部に到達するまで時間がかかることと浸潤にムラがある。
⑩地中かんがい
点滴かんがい施設を地中に埋め込んで根群域に水を供給する方式。
それでは、問題です。
問題
「畑地かんがい方式を3つ以上挙げて、その方式の特徴と畑地かんがい方式を選定する際の技術的留意点について述べよ。」
1.畑地かんがい方式と特徴
①スプリンクラーかんがい
機器から圧力水を噴出させて降雨状に土壌と作物に散布を行う方式で、薬剤等の散布にも用いられるほか、土壌や地形の制約が少ないといった特徴がある。
②点滴かんがい
ほ場に設置した機器から作物の根元などの限定された位置に緩やかに水分を供給する方式。マルチなどの栽培に適した作物にも利用可能である。
⑥地下かんがい
ほ場内の暗渠などを用いて、水を流入することにより毛管作用によって作物の根群域に水を供給する方式。昨今は地下水位を調整する機能のある地下かんがい方式も考案されている。
2.畑地かんがい方式を選定する際の技術的留意点
①設置条件の確認
かんがい方式を選定する地域の土壌や地形などの自然条件、作物や経営形態などの営農条件などから勘案して方式を選定する。
②インテークレートの結果を指標とした選定
降雨やかんがい水が地表から地下に単位時間に浸潤する量をインテークレートといい、時間とともに浸潤量が低減し1/10となるときのベーシックインテークレートを指標として、最適なかんがい方式を選定する。
次回ですが、私の復習の為、かんがいの目的と効果について書いていきます。