農業どぼくろく -農業土木録-

農業土木の仕事をしながら、農業土木関連の資格試験を取得する勉強内容を書いています。

水田かんがい施設の特徴について

かんがい施設についての問題を作ってみました。

 

問題

「水田かんがい施設を3つ以上あげ、それぞれの特徴と計画策定における技術的留意点について述べよ」

 

計画「農業用水( 水田)」によると、

①貯水施設

②取水施設

③送配水施設

④調整施設

⑤管理制御施設

に分かれています。

過去問では少し関連性があるものは平成21年に出題されたくらいでしょうか。インプットと覚えこみの為にアウトプットしていきます。

資料は、土地改良事業計画設計基準 計画 「農業用水(水田)」のP70~と関連技術書から抜粋して回答します。

 

水田かんがい施設の特徴と計画策定における技術的留意点

①貯水施設

 特徴-利水のための貯水機能を有する施設であり、ダム等の貯水池、湖沼等の施設が該当する。

 技術的留意点-貯水施設はその種類や利用方法、位置等の条件により、発揮可能な機能が異なるため、合理的な施設配置、容量配分等を検討するとともに、用水利用における弾力的な運用が可能となるよう配慮した計画とすることが望ましい。

②取水施設

 特徴-利水のための取水機能を有する施設であり、頭首工、揚水機場、地下水工等の施設が該当する。

 技術的留意点-取水施設の種類、形式等は、受益地区との位置関係、水源の種類等により影響されるので、地域の実情を踏まえた合理的な施設計画となるよう検討するとともに、用水利用において柔軟な運用が出来る計画とすることが望ましい。

③送配水施設

 特徴-利水のため用水を送配水する水路組織を構成する施設であり、用水路(サイホン、暗渠、水路トンネル等含む)、分水工等の施設が該当する。

 技術的留意点-取水地点から末端ほ場に至るまで、地域内をくまなく網羅する施設であり、施設全体がシステムとして機能する必要があることから、地域の自然、社会的条件、受益地区の特性、施設の施工条件や運用管理面を総合的に勘案し、合理的な施設配置(路線選定)、形式等を検討することが望ましい。

以上

 

その他の2点については下記のとおりです。

④調整施設

 特徴ー用水系統における水量の変動を調節する機能を有する施設であり、調整池(1日~数日の需要調整を図るもの)、ファームポンド(主として1日以内の需要調整を図るもの)等の施設が該当する。

 技術的留意点ー一時的に発生する用水需要量の変動、施設の制御操作の遅滞等、その対応すべき課題に適応した合理的な施設の配置、容量等を検討することが望ましい。

⑤管理制御施設

 特徴ー用水や施設を管理、制御する機能を有する施設であり、気象観測施設、量水施設、制御施設、通信施設、保護・保安施設等の施設が該当する。

 技術的留意点-水源の確保量、水路の通水能力等の水理諸元をもとに、用水利用の効率化を図るために施設計画全般の中で検討されるものであることを認識するとともに、適確な管理運営計画と一体的に計画することが重要である。 

 

今まで設計基準と関連技術書の双方を見比べるという勉強をしてこなかったので、こうやって答案作成できて一歩前進しました。

 

次は、計画用水量の算定について書いていきます。