農業どぼくろく -農業土木録-

農業土木の仕事をしながら、農業土木関連の資格試験を取得する勉強内容を書いています。

農業水利施設のストックマネジメントにおける機能保全計画の策定について

凄く長いタイトルで恐縮ですが、勉強をしている際に手引きをみていると、機能保全の策定の部分で分類されているので、その点をまとめておこうと思ってこういうタイトルにしてみました。

 

問題

「機能保全計画の策定において、それぞれ取りまとめる事項について述べよ」

 

 

①劣化予測

当該施設の劣化状況等を踏まえ、同一の検討を行うことが可能な単位ごとに分類(グルーピング)し、劣化要因に応じてそれぞれのグループの状況に適した手法で検討する。

 

農業水利施設は、単一の施設ではなく役割毎に構成された施設ですので、一様な対応をするのが難しいですが、例えば、開水路や貯水池のコンクリートの補修などは同じような対応が可能ではないか、一緒に対応できないかとかそういうことをここでは言っていると想定されます。

 

②対策工法

機能診断、劣化予測等の結果を踏まえ、水利用性能、水理性能、構造性能等における要求性能の確保の観点や、施工性等の観点から妥当性が見込まれる対策工法を検討する。この際、極力複数の案を検討する。

 

対策工法だけではなく、ストックマネジメントの手法では、新工法などを積極的に検討するということもあり、妥当性が見込まれる工法は複数案検討しておくという部分を押さえておきます。

 

③対策実施シナリオ

各種の検討結果を踏まえ、対策工法とその実施時期を組み合わせたシナリオを作成する。この際、技術面・経済面等も含め妥当であると考えられる対策の組合せを検討し、極力複数のシナリオを設定する。

 

これも、前述の対策と同様で、単一のシナリオや対策だけではなく、組み合わを変えるなど柔軟に対応できるようにしておくということでしょうか。

 

④機能保全コスト

対策実施シナリオごとに算出する。シナリオを選定する際には、機能保全コストが最も経済的となるシナリオの選定を基本とする。しかしながら、経済性のみで判断するのではなく、重要度など施設の有するリスク、環境への影響、維持管理面等に関する施設管理者や地方公共団体等の意向等も考慮し、総合的に判断する必要がある。

 

⑤施設監視計画

監視を行う測点(部位)、監視内容・項目、頻度、監視に当たっての留意事項、監視実施者、監視結果の記録、異状時の措置、次回予定診断時期について施設造成者(機能診断者)と施設管理者が情報共有しつつ策定する。

 

補足的ですが、「対策工事を当面実施しない施設において施設監視(継続監視)とする対応もストックマネジメントの重要な取組の一つである。」とありました。

 

覚え方としては、

劣化の予測→その劣化に応じた対策工法→それをいつ実施するか→加えて機能はどこまで保全できるか→施設を観察し続けるにはどうしたらよいか、といったところでしょうか。

 

次もストックマネジメントについてやっていこうと思います。ストマネストマネ、だいぶ頭の中に入ってきました。