農業どぼくろく -農業土木録-

農業土木の仕事をしながら、農業土木関連の資格試験を取得する勉強内容を書いています。

水田かんがいの基本計画について

 

技術士の過去問から、問Ⅱ-1の問題は、

「~において、~を3つ以上あげ、それぞれに関して技術的留意点について述べよ」

「~において、~を〇つ以上あげ、それぞれに関して説明せよ」

などといった問題の出題傾向があります。

そこで、出題傾向から「基準書」や「ハンドブック」から想定される問題を作ってみて、解いていくことでインプット・アウトプットしていきます。

 

まずはかんがいの知識について弱いので、農業用水(水田)より考えられるⅡ-1の問題を作ってみました。

 

 

問題 : 「水田かんがいの基本計画の策定において検討すべき主な事項を3つ以上挙げ、それぞれに関して技術的留意点について述べよ」

 

計画「農業用水( 水田)」によると、

①受益地区

②営農・土地利用計画

③用水計画

④水源計画

⑤環境との調和への配慮に係る計画

の5つについて留意すべきと書かれています。特に、③の用水計画については、平成25年に出題されたり、択一で出題されたりするなど、重要視すべき点だと思います。

 

それぞれの内容について、土地改良事業計画設計基準 計画 「農業用水(水田)」P50~から抜粋して回答します。

 

水田かんがいの基本計画の策定において検討すべき主な事項とそれぞれに関する留意点

①営農・土地利用計画

地域の今後の展開方向を踏まえ、営農の組織化や機械化、新技術導入等を通じた農業経営の改善に向けて的確に策定する。このため、現況の実態を十分把握・分析するとともに、地域農業のビジョンの内容や関係機関、関係農業者等の意見を十分反映させて作成することが重要である。

②用水計画

用水計画は、受益地区の現況において必要な水量、水質及び水温を明確にした上で、受益地区のかんがい面積、ほ場条件、品種の選定・栽培様式等の営農・経営形態、排水系統、施設形態、水管理方式等の用水量の変動要因を総合的に検討して、将来的に想定される用水量を充足し、かつ、施設計画と整合したものとなるよう策定するものとする。

③環境との調和への配慮

対策の検討に当たっては、関係機関とも緊密に連絡・調整を図りつつ、その手法と効果、経済性等を総合的に勘案する。その際、ワークショップ等により関係者の意向を把握し、反映させることが重要である。また、管理運営に追加的な労力を要する場合等には、関係する地域住民等の参画も得ながら保全管理することが好ましい場合もあることから、計画策定の時点で十分な協議・調整を行い、関係者の合意形成を図る。

 

その他の2点については下記のとおりです。

④受益地区

地域の農業・農村の展開方向に即し、農業が持続的に発展するよう、その他の計画とも相互に整合を図りつつ検討する必要がある。特に、既存の用水利用の形態等についても十分に勘案する。

 

⑤水源計画

水源計画は、受益地区内における最適な取水が継続してできるように、気象の影響や用水需要の変動等の要因を見込んだ計画用水量を充足することを前提として、合理的かつ効率的なものとなるよう計画する。また、一般に計画用水量に現われる最大取水量及び総取水量の両方を満足させる必要がある。
水源依存量の算出は、時期別に発生するほ場単位用水量、施設管理用水量等の用水量を確保できるよう、有効雨量、地区内利用可能量及び現況利用可能量を用水の供給量に算入した上で、水源に関する用水の収支計算を行うことにより求める。
水源施設の形態、配置等は、計画用水量の安定的な充足とともに、その建設及び維持管理面、既得水利権者等との調整、周辺環境への影響、水温・水質等多面的に検討して、技術的可能性や社会的、経済的妥当性を十分考慮して決定する。水源施設として貯水池の新設、更新又は流域変更等を計画する場合には、影響する範囲が大きい場合が多いので、特にこれらについて留意する。

 

省いた上の2点について、

1.受益地区に関しては営農・土地利用との差異が付けづらい

2.水源に関しては用水計画と絡む部分が出てくる

といったことから私は除いてみました。得意な方は試験の時に書いてもいいと思います。

                                     

次回はかんがいについて、施設計画について書いていきます。